2007/05/03

[木鐸]   「マーケティングマインド」ってのはけっきょく処世術かなんかなのか

at 08:48JST
大西 宏のマーケティング・エッセンス:
Digg創業者の勇気ある声明が事態を沈静化した
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/50309987.html
みんなが望むのなら、そのようにする。たとえそうしてDiggが、知的所有権違反で潰されたとしてもDiggはそうするという悲痛な決意です。思わず、今読んでいる『ビジョナリー・ピープル』に登場する持続する成功を実現した人々の発想を思い出してしまいました。
Diggは、ユーザーが主役であることを表明して、危機を脱しました。これこそマーケティング・マインドじゃないかという気がしています。そんなところをしばしばWebの世界は見せてくれるから目を離せないんですよね。


なんだそりゃ。

引用文中の引用文も、
「持続する成功を実現した人々教」
という新興宗教みたいで相当痛々しいが、
「これこそマーケティングマインド」
というのもさっぱりわからない。

ぼくには個人の意志が群衆の暴力に屈したようにしか見えないよ?(しかも本人=Kevin Roseにその自覚がないかもしれないのがコワイ) そんなことはWebに限らず古今東西当たり前に起きている“うんざりするできごと”で、ほかにもっと目を向けるべき価値のあるものはたくさんあるじゃないか。

そもそも、問題がHD DVDの復号関連情報だったからまだいいようなものの(ぼくはあえて“よくない”と言いたいがね)、これが人種差別を煽るヘイトスピーチだったら、同じように
「勇気」
「持続的成功」
「危機を脱した」
と評するのだろうか。「みんなの言うことは正しい」からそんなことは起こりえないのかい? いやいや、いつでも起こりうるということが、このところ日々証明されているよね。まさに。

それにここで「マーケティング」を引き合いに出してくるのも解せない。薄っぺらい“クールハント”ならともかく、本来のマーケティングというのは、
「なにかを作りたい、売りたい」
という個人の意志を支援するための、ただの道具に過ぎない。しかし、ここで起きたのは運営者個人のポリシーの蹂躙だ。ということは、ここから読み取るべきは
「マーケティングが破壊された」
ということなんじゃないのか。それとも、マーケティングってのは結局なんにも能動的には活用できない道具で、トレンドを傍観しつつうまく世渡りしていく処世術かなんかに過ぎないということなのか。“炎上の時代”において地雷を踏まず大衆を懐柔してつきあっていけるようにするための。

ただ、この大西氏の文章は、別に
「起きたことをポジティブにとらえている」
のではなく、
「悲痛な問題だ」
ととらえているようにも読めるので、そんなにからみたいわけじゃないのだけれど…。

どっちにしても、このDiggの件はイヤな事件だ。しかも、ひどく既視感に襲われる。

ぼくは、これがWeb 2.0ならもうやめっちまえ、と思う。ということで、前から
「Web マイナス2.0」
という概念を模索していたりする。

・人間同士をつなげない
・つなげる場合も最小限かつ双方の合意が必要
・情報は選択的かつ能動的にしか摂取できない
・代わりに思索を深める時間と処理能力を提供する

とかいう…キーワード先行なので具体的な内容はなにもございません。いつか「Web マイナス2.0」なサービスを立ち上げるぜ!(それなんて草の根BBS?)

2007/04/27

[木鐸]   みんなもっと自分の頭で考えようよ…

at 16:37JST
Tokyo Fuku-blog: 日本でプードルと偽ってヒツジが大量に売られている
http://tokyo.txt-nifty.com/fukublog/2007/04/post_19fa.html

これを「冗談」として楽しむならともかく、「本当」だと思って騒いでいる人がいる…。一部には、
「生き物を段ボールに詰めて送るなんて、
 日本人のモラルは地におちた!
 許せない」
なんて嘆いている人もいる…。えーと、あなたは産経新聞の愛読者ですね、たぶん。タレコんでネタを提供してあげるとアビル記者が喜ぶのでどうぞ。

以下、該当記事を「わはは!」と笑いとばしていた人は、読む必要なし。



いちおう、事実関係を追ってみよう。

1. 川上麻衣子が今週の「ごきげんよう」で、
 「知り合いがネットでトイプードルを買った。
  調子が悪いようなので獣医に診せたら
  ヒツジと指摘された」
 とトーク
2. それを英タブロイド紙「The Sun」が
 「日本でプードルと偽ってヒツジが大量に売られている」
 と報道
3. それをイギリスのニュースサイト「Metro」が紹介
4. それをTokyo Fuku-blogが逆輸入
5. マジに取られて話題になる←いまココ!

とりあえずわかりやすいところから。

4.のTokyo Fuku-blogは古参のネットユーザーはご存じのとおり「東京福袋」のサイトです。おもしろ話題を発信しているだけなので、掲載されている情報は事実とは限りません。ある意味X51.orgです。この点で同サイトに罪はないのであしからず。

次。

2.の「The Sun」は、有名なタブロイド紙です。

イギリスのタブロイド紙というのは、日本で言うと「東スポ」や「夕刊フジ」にあたる“赤新聞”です。したがって、ウソ・でまかせ・デマが大量に載っています。読者はここに載っている記事をバカみたいに笑って楽しむのが礼儀です。サンを本気にしていたら、地球人は過去に5000回以上は宇宙人とファーストコンタクトしているでしょう。

参考:
Tabloid - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Tabloid#As_a_sensational.2C_gossip-filled_newspaper

従って、サンが「日本の警察が云々と語った」と主張しているところは、すべてでまかせです。それを笑って楽しむのがこの新聞の読み方です。

3. のMetroについては、ただ単に転載しているだけ。ここもタイトルロゴにレッドタブがついているのでサンと同様のテイストですね。

Dog owners 'fleeced' in poodle scam | Metro.co.uk
http://www.metro.co.uk/news/article.html?in_article_id=46730&in_page_id=34

そして大元の1について。

みなさん、「ごきげんよう」はトーク番組です。報道番組じゃありません。トークというのは虚実まじえて聞き手を楽しませるものです。たとえば、明石家さんまが
「いや、もう、ぼくは誠実ですヨ!
 浮気もぜったいしません!」
と、「さんまのまんま」で言っていて、それを事実だと思う人がいますか? 事実ではないとわかるから笑えるんですよね。同じことです。川上麻衣子も、どこかで聞いた笑える話を、ふくらませてしただけです。

仮に川上麻衣子がビリーバーだとしても、「知り合いが」という伝聞の話だという時点で、この「ヒツジプードル事件」はデマの可能性が高いですね。
「私の知り合いの弟が口裂け女を見たんだってー」
なんて話してるのを聞いたら、まあある程度の経験のある人なら「出所のあやしいあやふやな話」だと判断がつくでしょう。

また、この話にはいくつかのツッコミどころがあります。

まず、宅配便では一般に「動物は送れない」との約款を定めています。

宅配Q&A
http://www.jta.or.jp/coho/takuhai/takuhai.html

クワガタなど小型の昆虫については問題にならないようですが、大型のほ乳類は確実に不可、です。どんなにしつけがよくても隠して送ることは不可能です。一回運送会社でバイトしてみてください。天地無用でもかまわずぐちゃぐちゃにして運ぶことがあり、荷崩れも起きる。通常、近接区域でも1日は到着までにかかるのにトイレはどうしますか? ひつじの、それも仔ひつじのトイレトレーニングなんて簡単にできるとは思えませんが…。

なお、Yahoo!オークションでは大型ほ乳類は取り扱いがありません。
http://list3.auctions.yahoo.co.jp/jp/2084055844-category.html

ビッダーズ、楽天ではカテゴリは存在しますが、出品がないか基本的に手渡しが前提となります。また、ビッダーズでは、
「哺乳類・鳥類・爬虫類の生体」
を扱う場合、動物愛護法に基づき動物取扱業登録証の写しの提出などが要求されます。

動物愛護管理法の改正法施行にあたってビッダーズからのお願いとお知らせ
http://www.bidders.co.jp/news/20060524.html

つまり、ネット上での動物の販売にも法的規制がちゃんとかけられているということです。

もうひとつ。ちょっと考えればわかると思うのですが…ひつじとプードルは
「似ても似つかない」
です。それはこの二種の動物がどのような環境に適応してきたかを考えればわかります。

ひつじは、広い草地で絶えず周囲に気を配り、天敵が近づいてこないか見張っている必要がありました。そのため、できるかぎり視野を広く取れるよう、目が顔の両側面についています。

いっぽう、犬は猟犬のように目標にむかってすばやく動く必要があります。この場合、視線はまっすぐ前方を向いているほうが好都合です。そのため目は前面についています。このような特徴は、目だけでなく耳にも現れています。もしひつじや犬の絵を描く必要に迫られたら、これらの事実に留意して描くとヘタでもなんとなく似ているものを描くことができるでしょう。

さて。このような事実を肝に銘じたうえで、先ほどのメトロのサイトにアクセスしてみましょう。

http://www.metro.co.uk/news/article.html?in_article_id=46730&in_page_id=34

鳴き声どころか外見もまったく似ていませんね。

※追記
あと、肝心なこと。
ひつじは「ウシ目」(偶蹄目)です。つまり、足はひづめです。犬はひづめではありません。これならどんな人間でも判別がつきます。

…こうした背景から、もともとの川上麻衣子の話、そしてサンの記事は
「単なる冗談」
だということが簡単にわかります。

…ここまでのことについてぼくは無責任にも情報ソースへの取材をせずに書き散らしてきました。実際には、サンに問い合わせるなり、警視庁の広報に電話をかけるなりすることも必要でしょう。今回はあえてそうしませんでした。「考えればわかるじゃん」というのが、ぼくの主張だからです。

どなたか労をいとわない方がいらしたら電話をかけてみてください。もちろん間違っていたら謝ります^^;(ホントならそれはそれでおもしろいからええやん)

でもさあ…冗談なんだから、冗談として楽しめるように頭を使おうよ…。


追記:
女のキモチ オレオレ詐欺よりもむしろ
http://uji8.blog92.fc2.com/blog-entry-26.html

の方が指摘してくださってますが、「ヒツジプードル事件」のウワサは少なくとも昨年から流布されているようです。

ボストンテリアだらけ : だまされた!?
http://momoani.exblog.jp/4849084/
Yahoo!ブログ - 上海在住Jasonの麻辣珍道中!
http://blogs.yahoo.co.jp/jasonyoshizumi/25230332.html
プードルの正体。|それ行け、ぱぴけあ探検隊!
http://ameblo.jp/totoboku/entry-10024693943.html

従って、これは確実に「デマ」「冗談」ですね。

だから、冗談を冗談だって笑えるようになろうよ!!

[木鐸]   右翼・左翼の定義

at 02:42JST
ネット右翼
http://iwatam-server.dyndns.org/kokoro/uyoku.html

これはよくまとめたなぁ…感心する。

前半は今までも論考されてきたことではあるが、特に後半でネット右翼に関して考証した部分がすばらしい。

もちろん、この定義を金科玉条のようにふりまわして誰かを批判するのは間違っている。でも、世の中にひとりくらいはここまで真剣に世の中を俯瞰しようとする人間がいたということを知ってうれしい。

[木鐸]   世界日報でおかいもの

at 01:12JST
うちのサイトに世界日報の広告が流れてきた…うーん。

AdSenseは、情報商材やマルチといったひどい広告を配信してくる(おまけにそれをサイト側でブロックする方法はない─いちおうあるけど200件が上限のブラックリストのみ)ので有名だが、カルト宗教の勧誘までやられるとちょっとひくよなあ…。

せいぜい月1万程度の収益のために犯罪や悲劇の片棒かつぐのはいかがなものか、という気がしてくる。

いちおう知らない人のために言っておくと、世界日報=統一協会。で、「ダーウィン進化論は間違っている!」という本をオススメされちゃいました。

ダーウィン進化論の終焉・科学の新パラダイムID
第1集・電子版 - 世日ネットショップ
http://worldtimes.shop-pro.jp/?pid=2256595

「終焉」とか言ってる時点で多くの人が「どこかおかしい」と怪しむとは思うが、ID論はサンケイも特集組んで後押しするくらいだからねえ…(これも知らない人向けに言っておくと、産経新聞は統一協会の合同結婚式を応援する意見広告を載せ、ID理論を支持し、統一協会関係者が頻繁に寄稿するという、統一協会の出店である)。真に受けちゃう人もいるかもねえ。

サブドメインでcolor Me shopを使ってるので末端の信者かなにかかと思ったけど、ほんとに世界日報本体らしい。
http://worldtimes.shop-pro.jp/?mode=sk

はあ…。どうやら「カルト」ってキーワードにヒットしたらしいんだよね。カルトがカルト批判に広告を載せて、逆張りで宣伝になるのだろうか。ま、クリックされると世界日報が損するだけだからウチはブロックしないけど。気になる人はブラックリストに追加しといたほうがいいかもね。

ついでに、別のカルト教団の広告も配信されてきました。
↓トップページからヤバいものが映ってるので、
 ぼくみたいに露悪趣味じゃない人はアクセスするべからず

日本における「リトル・ペブルの共同体」
http://homepage1.nifty.com/charbeljapan/index.html

えーと、セックスシーンを堂々と掲載しているのはアダルトコンテンツの配信にはあたらないのでしょうか…。「この体位は気持ちいいのだろうか」などと考え込んでしまったじゃないか。

よく見ると、ここで宣伝されてる自叙伝はA5判98頁で2,400円と、アジソン・ウェスリーも裸足で逃げ出すぼったくりぶりである。よほど紙質がいいに違いない。

リトル・ペブルについては不勉強で知らなかったが、教祖は未成年者との性行為で服役中だそうだ。ぼくはどんなカルト教団でも、外形的な犯罪で処罰されてきちんと償っている限りは信教の自由を尊重すべきだと思う。しかしなー、こう露骨なアダルト画像をバラまいているようなところはブロックしたい人も多いだろう。だが、Googleの「配信拒否機能」は弱すぎ。

AdSenseがWebエコシステムの土台になってしまっている現状では、もうちょっと機能を強化してやるべきだし、あるいは広告配信者側のレーティングなどを行うべきなんじゃないだろうか。カテゴリ選別とかは、初期のクリック課金広告会社はきちんと提供していたと思う。Googleは、そういうものを判断しないというポリシーなのはもちろん知っている。だがね、それだけで済むほど世の中は単純じゃないのだよ。

2007/04/25

[木鐸]   うそつけ。みんなユリ・ゲラーを信じていたじゃないか

at 22:04JST
「また「あるある大事典」にダマされた。」[書評]第21回/SAFETY JAPAN/日経BP社
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/bookreview/22/index.html

わたしたちの常識は弱体化したのか
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/bookreview/22/06.html
だが、ここで思い出してもらいたい。かつてのわたしたちは、そんなに簡単にバラエティ番組の言うことを信じていただろうか。
例えば、かつて超能力者を自称するユリ・ゲラーという人物が、テレビに出演してスプーンを曲げた時、あなたは超能力を信じただろうか。あなたは信じたとして、ではあなたの周囲の大人は、ユリ・ゲラーを信じただろうか。


いや、常識は弱体化なんかしていないよ。むかしから変わらない。もともと“常識”は弱かった。いや、常識ということばをここで使うのは正しくない。
「社会がもつ知識とか知見というものは、常にぜい弱なものだった」
と言うべきか。

松浦氏の周りの人間がどれだけ知的にすぐれていたかは知らないが、「周囲の大人は信じていなかった」などというのは過去を美化しすぎだ。超能力・オカルトブーム時代、子どもたちはもちろん多くの大人たちが
・こっくりさん
・UFO
・ESP
の存在を大なり小なり信じていたことを、ぼくは同時代の空気で知っている。もちろん、ぼく自身もそれらの何割かをどこかで信じていた。信じなかった、理解の及ばない恐怖の世界があるかもしれないと不安におびえることもなかった…などと断言するのは、自分の無謬性を主張したがる厚顔無恥な輩だけだろう。そもそも「納豆ダイエット」だって、
「いやー、そんなもんで手軽にやせられないだろ」
と思いつつ、少なくとも
「でもカラダに悪いってほどでもないだろうから完全に否定はできない…」
と留保をつけている人がほとんどだったはずだ(いきなり留保もつけず、なんの根拠もなく“納豆ダイエット”を否定したらそれはそれでまた疑似科学に陥る)。

別に人間は変わっていない。

そんなことは疑似科学分野だけでなく、過去に起きたデマによる取り付け騒ぎやオイルショックを思い出せば十分反証になるだろう。

名の知れたサイエンスライターともあろうものが、過去賛美のノスタルジアにふけってしまうとはがっかりすることこのうえない。

個人的に振り返るならば、1980年代にしきりと放送された「UFOは実在した」系統の特別番組あたりから、番組を真に受ける人が増えてきたように思う


それは年齢的に、あなたが“物心ついた”のが80年代だからでしょう。テーマがUFOという、現在の専門分野である宇宙開発系に近い領域だということも、それを示唆している。

人間は自分の目でしかものごとを見ることができないね。

しかも、解決策として提示しているのが、

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/bookreview/22/07.html
わたしは著作権法を改正し、テレビ番組内容の真偽に関する検証に必要な映像は、不特定多数による動画サイトへのアップを合法化すべきと考える


と、ご都合主義的な著作権侵害合法化論とは恐れ入る。まあ、ギーク(ナード)寄りのコミュニティに属する松浦氏だけにさもありなんと言えばそのとおりの結論だけれど。

ちなみに、現行法制下でも批評目的での正当な映像の“引用”は十分可能だ。単に十分に法論議が尽くされていないだけ。不必要な著作権侵害を正当化する必要なぞない。

さらに脳天気なのは、動画の再送信が「検証」にだけ役に立つと思っているかのような物言いだ。もちろん“マイナス面”もある。
「デマゴギーの再送信」
にも通ずるという点だ。そんなもの、Youtubeあたりを歩くと「チャンネル桜」の番組がゴロゴロ転がっていて、好意的な評価を受けていることを見ればわかる。全体としてはプラスの効果もマイナスの効果もあり、結果として現状の社会が提供している機能になんらかの補正を働かせるものにはならない。なるかのような期待を抱かせられるのは、単に今は利用度のパイが小さいからだ。普遍的なものになれば母集団と同じ性質に落ち着いてしまう。

あるあるが断罪されても、みんなあいかわらず
・血液型で性格がわかる
・月経血コントロールで人間力アップ
・トイレそうじで幸せになる
などというむちゃくちゃを信じているし、イデオロギー色の強い分野では
・道徳教育が教育を再生する
などというトンデモ理論が跋扈してる。そんでもって、ソーシャルブックマークサイトには、「ネット型バラエティ番組」とも言える
「あなたが成功する20の××」
が常に人気エントリにランクイン。こんなものを読んでいる人間がバラエティ番組をどうして笑えるだろう。ネットを使おうが使うまいが変わらないじゃないか。

集団の知性というのはそもそもこんなものなのだ。みんななんとなくキモチよさそうなものを、みんなといっしょにキモチよくなるために信じている。むしろ人が増えれば増えるほど軌道修正は困難になる。

これに対抗すべきだと言うのであれば、その方法は
「不断な個の知性の強化」
しかない。それは絶望的な戦いではじめから負け戦で今後も負け続けるのだが、銀の弾丸はないのだ。せいぜい「個の知性に肯定的なムード」を作り上げていくくらいだろう、社会にできるのは(現状わたしたちの社会はそうなっていない。出る杭は打たれる)。

そもそも、松浦氏がお手軽に飛びついた
「人間の経年劣化」
などという主張のほうが、納豆ダイエットよりよほど根拠不明の疑似科学に思えるのだがね。

2007/04/23

[木鐸]   ぼくはタバコは大嫌いだけど、これは眉唾だ…

at 20:08JST
ぼくは他人がプカプカふかしている場に数分いただけでも扁桃腺が腫れたり熱が出たりするので、タバコは大嫌いだ。しかし、こういう根拠の怪しい論説がひとり歩きするのはもっとイヤだ。

NHKニュース: ADHD児の母親 喫煙率高い
http://www.nhk.or.jp/news/2007/04/23/d20070422000002.html
6歳から16歳までのADHDの子ども167人の親にアンケートをしたところ、喫煙率は、父親が70.1%、母親が46.7%で、一般の親の喫煙率と比べると父親は1.1倍でしたが、母親は2.7倍に高くなっていました。妊娠中に喫煙していたという母親も34.7%に上ったということです


おおかたコレを鵜呑みにして、今後ADHDの疑いのある児童に触れるたびに
「ああ、あれは母親が悪いのよ」
と陰口を叩く風潮を広める人間が増えるのだろう。「三歳児神話」(三歳までは母親がつかずはなれず育てないと子どもはダメになるという科学的根拠のまったくない珍説)と同じだ。実際にタバコを吸っていようが吸っていまいが、問題行動を起こす子どもを見かけたら「母親が悪い」と言うことができる。そういうふざけた論拠のひとつにしかならない。子宮頸ガンの女性をつかまえて、
「あんた、尻軽だからバチがあたったのよ」
と言うようなもんだ(←意味がわからない人はここらへんは自分で調べよう)。早い話が差別や偏見を助長する。

これは厳密な調査になっていない。

母数が167件というのも少なすぎるが、下はまったく社会生活に支障がないレベルから上はうつ症状を併発するレベルなど症状も程度も多種多様なADHDを一括して扱っており、なおかつ対象が6歳から高校に入る16歳までとまったく同一視できない範囲をいっしょくたにしてしまっている。そもそもADHDは血液検査やCTスキャンで
「あなたはADHD!」
と診断できるものではないので、ADHDとして扱われている中には“擬ADHD”な人も含まれる。これで喫煙習慣との因果関係を立証するのは無茶すぎる。

そもそも調査対象の家庭状況を統一して調べなければ科学的に因果関係をたしかめることはできない。年収や生活地域によっても喫煙習慣の普及度には差が出てくる。調査した医師は大阪・寝屋川市の人だが、これが金沢の山奥だったら(極論だが)喫煙習慣との関係性が確認できない可能性もある。

平成13年現在で産婦が多い20代女性の喫煙率はすでに1/4だった。これと19年現在の調査で「46.7%が喫煙者だった」という母親群の喫煙率とにほんとうに有意な差があるのかという点にも疑問がある。就職経験のある女性は職場での男性の喫煙などに影響されて一般に喫煙率が高くなるものだが、こうしたキャリアをもつ女性はADHDなどの情報に敏感な(リテラシーが高い)傾向がある。それだけ子どものADHD発見率が高くなるわけだが、これを逆方向から見れば当然「ADHD児の母親の喫煙率は高い」というとんちんかんな推測ができてしまう。

さらに、ADHDに対して
「なんだか最近そういうの増えてるよねー。
 女性の喫煙率が上がってるからじゃない?」
と勘違いしている人もいそうだが、
「ADHDが増えているという統計はない」
のだ。ADHDという概念自体が最近つくられたものなのだから。昔どれくらいいたのか、増えているか減っているか、そんなことはまったくわからない。ただ、そこにあてはめることで社会とうまくやっていく方法を検討しなおし幸せになれる人がいるので、便宜上そういう診断をしているに過ぎない。そういう人々は昔からいたのだ。おそらく増えても減ってもいない。

もちろん、妊娠中には飲酒・喫煙を控えたほうがいいとぼくも思う。そもそもつわりによくないのでタバコは吸えなくなるだろうし。しかし、これをもってして
「あら、問題行動児童よ。
 母親のせいよ」
と世間がうるさくなる可能性が思いっきり高いのはがまんならない。もっと慎重に調査・報道すべきだ。

そもそもこういった報道に触れてADHDがなんだかわかる人間って、どれくらいいるのだろうか。おおかた
「自分とはちがう、異常な人間。きもちわるい」
程度の浅い認識しかないだろう。ADHDって言ったって、スペクトラム的なもので症状には幅がある。本人にとって支障がなく社会とうまく折り合っていき、楽しく生きていけるのなら障害とは言えない。本当は、社会がもっと寛容ならADHD程度は単なる個性だ。実際、ADHDと気づかずに一生を終える人もいる。逆に、ADHDあるいはもっと致命的な障害を負っているにもかかわらず、
「いやーん、障害者ってキモーイ」
と他人を指さして笑っている人もいるだろう。それはあなたのことかもしれない。

日本では、人口1億2千万人のうち約1割がなんらかの障害を抱えているそうだ。100人いたら10人。10人いたら1人。

2007/04/20

[木鐸]   観る前に批判しておこう

at 14:05JST
Yahoo!ニュース - デイリースポーツ - 窪塚洋介猛反撃「井筒監督はアホ」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070419-00000022-dal-ent

ああ、あの翼賛映画?
都心の金券ショップで、前売り券がバナナ並みの値段で叩き売られてたのが駄作の証拠だと思うが何か?

2007/04/14

[木鐸]   まさにあれこそ少年院送致にすべきでないケースだったと思うのだが…

at 01:33JST
asahi.com:少年院送致の年齢「線引きを」 下限撤廃に与野党大もめ - 社会
http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY200704130358.html?ref=rss
少年法改正は、長崎市で03年に起きた幼稚園児殺害事件など14歳未満による凶悪事件が相次いだのをきっかけに


あれを元ネタに下限年齢撤廃しようとしてるのか…乱暴すぎる。

昔より少年犯罪は減ってるのに。どんどん住みづらい世の中になっていくなあ。

2007/04/13

[木鐸]   ゴーストキヨスク

at 17:05JST
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 首都圏のキヨスク、3分の1が臨時休業…リストラ補充失敗
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070413-00000108-yom-soci

そうそう。ぼくの使う駅でも軒並みシャッター下ろしてる。「鉄道利用者減にあわせた人員整理」とか言われても、うちは山手線なんですけど(苦笑)。西日暮里は人口減ってんのか? Suica対応で設備投資がかさんだぶんを首切りで補填してるんじゃあるまいね。

そんな気軽にリストラするんじゃ、寡婦救済を目的とした鉄道弘済会の理念にはそぐわない気がするぞ。実際、西日暮里のおばちゃんがそのあとどこかで雇われているのかというのが気になる。

代わりに力を入れてる駅内コンビニの「Newdays」は、品物の質や店員の接客レベルがセブンなどに比して非常に落ちるのであまり使いたくない。プライベートブランドのおいしいパンやおにぎりを置くとかいうのがないんだもの。搬入・搬出がめんどうだから賞味期限にあわせた棚のチェックもあまりこまめになされていない印象がある。

逆にキヨスク増やして商品を強化したほうが売り上げは伸びるんじゃないかと思うけどねえ。ほかのビジネスの真似をするばっかりじゃ勝ち目はないよ。


↓Narinariの記事。このサイトもこつこつ運営続けててエライね。

消えゆく駅の「キヨスク」、タバコや雑誌の販売不振で。 Narinari.com
http://www.narinari.com/Nd/2006086391.html

[木鐸]   いい記事だなあ→アイピーモバイル

at 01:15JST
日経が「アイピーモバイル、携帯事業参入断念」と報道
 ↓
翌日の記者会見で同社が否定

というパターンになった例の件について。

狐につままれたアイピーモバイルの会見:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070412/268099/
筆者は4月8日,同社が参入を取りやめるとの記事を執筆した(該当記事)。この記事を書いた経緯は非常にシンプル。一次ソースであるアイピーモバイルのしかるべき地位にある広報担当者がそう話したからだ。コメントが取れたことで,それ以前に同社関連の関係者から得ていた「認定を返上する前提で動いている」,「理由は資金が集まらなかったから」といった情報が裏付けられ,速報とした。その時点で「4月10日に説明会を開催する」という情報も得,それを記事に含めた。結局,説明会を開催することだけが正しい情報だったことになり,結果的には読者に対しては誤報と言われても仕方のない形になってしまった。先行報道に対して「誤報と認識している」とアイピーモバイルの杉村社長は会見の質疑応答でコメントしたが,それに対しては反論するつもりはない。


この部分も含めていい記事だなあ。

日経は「エスパー記事」だの「飛ばし」だのとよく言われるが、ぼくはそれも含めていい記事を書くところだと思う。本来、ジャーナリズムというのはハイエナのように情報をかぎまわっていやらしく発信するのが職務なのであって、それをモラル云々で揶揄するのはどうかしてる。そういう情報の断片を寄せ集めてはじめて見えてくる真実というものがあるのであって、そのためには必要不可欠な捕食者なのだ。

「飛ばし記事」を書いた本人の、飛ばしとなった結果を受けての記事というのは初めて見る。しかも
「こうやってちゃんと監視しろよ。
 要注意だぜ」
と刃向かうへこたれない姿勢には感服する。だいたい、このままアイピーモバイルに手綱をかけずに放置しておくのはどう考えてもやばい。森トラスト周辺の出資者の利益にも関わってくるし。活きのいいハイエナが必要となるわけだ。杉村社長はどういういきさつで事業継続に踏み切ったのか知らないが、またヘンな手負いのケモノを野に放ってしまったもんだ。

こういうのが本来のジャーナリスト魂なんだろうなあ…ぼくにはとてもマネできない。なんか身の回りでは日経とか東洋経済とか、経済紙方面にしかこのテのスピリットが生き残ってないように見えるのはなんでなんだろ。

2007/04/11

[木鐸]   そんなにも誰かを悪者にしたいのか

at 22:12JST
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 給食費滞納、宇都宮市が確約書配布…「保証人」に苦情も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070411-00000412-yom-soci

原文にある「連帯保証人」というのがホントなら、もはや学校は教育の場ではなくなったな。子どもを人質に出す場所だ。

これはただの「保証人」ではない。連帯保証人だ。給食費を一日でも払い遅れたら、連帯保証人になってくれた人のところに学校が押しかけて自由に請求できるということだ。闇金と同じように。誰だって人間だし、金に困ることもある。義務教育課程というさまざまな家庭が入ってくる場所ならなおさらだ。そこでこんな棍棒をふりあげるというのは恫喝そのものだ。

もともと義務教育は、保護者に教育費支払いを課すことを認めていない。「タダ」という権利があるから、どんなに貧乏な恵まれない家庭でも安心して「義務」を果たすことができるのだ。ここまでやるのは権利を奪っていることにほかなるまい。

世の中は、いつからそんなに他人の痛みに鈍感になったのかね。ぼくは子どもとして給食費や学費を払えずに困ったこともあるし、親として給食費の捻出に胃を痛めたこともある。とても他人に同じ痛みを味わせたいとは思えない。だから気軽に
「給食費を払わない親なんてサイテーだよねー」
なんて言う人間と、同じ空気を吸いたくない。その刃が確実に次に自分に向かってくると思うから。

つボイノリオの歌で
「子どもの給食費にもおびえない、
 立派なDJになるぞー」
というのがあった。あれが冗談として成立するのは、別に「そんな家庭ありえない」からでは断じてなくて、「ああ。DJならありそうだもんな。ノリオ売れろよ」という“実際にあり得る悲哀に満ちた笑い”だからだ。それとも、いつのまにか本当に日本がそこまで豊かになったのか? それならなぜ、うちから50mの路上に半定住している顔なじみのホームレスがいるんだ?

本当にこんな世の中つぶれてしまえばいいのにと思う。生きる価値があるのかよ。

2007/04/10

[木鐸]   続・ネット右翼Amazon街宣

at 20:21JST
ネット右翼がAmazonレビューで街宣車乗り回している件について : ひろ式めもちょう
http://memo.hirosiki.jp/article/38319887.html

まーた見つけちまった。まあ、カスタマーレビューテキストを活用してるせいで接触機会が多いせいか。おそらく人文系売り上げ上位の書籍にまとめて投稿しているのだろう。もしかしたらスクリプト化しているかもしれない。

こんどは

Amazon.co.jp: 日本人のしきたり―正月行事、豆まき、大安吉日、厄年…に込められた知恵と心: 本: 飯倉 晴武
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413040465

で発見。美しい日本のしきたりでは、従軍慰安婦のように自分に都合の悪い醜い歴史はなかったことにする…という趣旨のレビューなんですかね。

ついでなのでテキストをコピペしておこう。みなさま、下記と同じような主張をしている人間を見かけたら、それはアホです。

日本人が知らねばならない慰安婦問題, 2007/4/7
レビュアー: 日本人慰安婦が圧倒的に多かったこと、多くの慰安婦が大金を稼いでいたことをマスコミは隠すな! - レビューをすべて見る
この問題が他の戦争関連の問題とまったく違う点は、80年代までほとんど問題視されることはなかったということである。
旧日本軍の悪事なら、どんなにおかしな話でも飛びつく日本の反日学者や韓国の学者ですら「戦場で商売していた売春婦」として問題にしなかった。
「軍が様々なことに関与したことが問題」とは誰も言っていなかった。
「政府・軍による強制連行」という話が出て初めて問題化したのである。

このレビューは参考になりましたか? (このレビューについて報告する)




本当に「過去を直視」すべきは朝日新聞, 2007/4/7
レビュアー: 最近も「数万人の女性を拉致し、強姦し性の奴隷とした」という米紙の社説を嘘とわかって載せていた。最低だ - レビューをすべて見る
現在、国際社会では「日本国は国策として女性を強制連行し性奴隷とした」という話が常識となっている。
そうなった最大の原因は、朝日新聞の「政府・軍による強制連行」の嘘話の大宣伝である。
その朝日新聞は現在、
「官憲による強制連行があったかどうかは枝葉であり、問題の本質から目をそらそうとしている」
と言っている。
人間ここまで汚くなれるのだろうか?
ならば朝日の記者は世界中に飛んで「実は政府・軍による強制連行の証拠は一切無いんだ」と誤解を解くべきだろう。
それが責任のとり方じゃないのか?
朝日の記者にだって少しは良心があるのだろう?

このレビューは参考になりましたか? (このレビューについて報告する)




1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

悪質な多事争論, 2007/4/7
レビュアー: 「広義の強制性」は元々、強制連行の証拠がないと気付いた左翼が、それでも日本を貶めるため使い始めた言葉 - レビューをすべて見る
3月5日の多事争論で筑紫哲也は、慰安婦問題での安倍総理の答弁について
「業者にそういうこと(強制連行)をやらせたことに強制性があるという、まあ日本人が聞いてもわからない説明であります」
と述べている。
まず安倍総理はそうは述べていないし、「やらせ」た証拠もない。
通達の1枚たりともない。
「悪質な業者を取り締まれ」という通達ならある。
発言を捏造しておいて、日本人が聞いてもわからないとしている。
汚いとしか言いようがない。
慰安婦問題については、小林よしのり著『戦争論2』の「総括・従軍慰安婦」だけでいいから、ぜひ読んでほしい。

このレビューは参考になりましたか? (このレビューについて報告する)


小林よしのりを参考文献として臆面もなく挙げられる羞恥心のなさが、またすばらしい。

ちなみに昨日見つけたほうの街宣文はまだ消されていない。

[木鐸]   裁判員制度の欺瞞

at 07:52JST
asahi.com:裁判員、目立つ市民誘導 模擬制度で課題 - 社会
http://www.asahi.com/national/update/0409/TKY200704090300.html?ref=rss
最高裁規則に盛り込むことが検討されているルールは(1)検察官と弁護人は裁判員にわかりやすい立証をする(2)裁判官は、裁判員が意見を言いやすいように努める(3)裁判官は、法廷の審理の合間などに行う中間評議の際、最終決定ではないので意見を固めなくていいなどと注意喚起する――といった内容


えー…。

もともと裁判員制度にはなんの期待もしてないから知らなかったけど、裁判員の評決が裁判官の主張からちゃんと独立してないんですか…。

まるで、今のPTAや教育委員会、公安委員会のように無意味な制度ですね。

[木鐸]   ネット右翼がAmazonレビューで街宣車乗り回している件について

at 01:19JST
Amazon.co.jp: 鈍感力: 本: 渡辺 淳一
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408781372X

4/7付け。おーお-_-;;

20070410mage1.png


いちおう通報しといたが、ほかにもうじゃうじゃあるんだろう。「プロ市民工作員」? こういうプロ右翼工作員のほうがはるかに多い気がする。

同じ手法はAmazonだけでなく楽天でも通用するな。
CGMを肯定的にとらえられる人たちに、ぼくはついていけない…。

2007/04/09

[木鐸]   いつの間にかすりかえられる事実

at 23:05JST
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <石原都知事>兵庫・井戸知事が不快感、震災発言「失礼だ」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070409-00000094-mai-soci

圧死かどうかはともかく、イシハラが言っている
「(自衛隊に派遣要請する)首長の判断が遅くて2000人が死んだ」

との主張は、あたかも

「当時の知事が反自衛隊のサヨクだったために
 派遣要請を遅らせた」

かのようにミスリードする悪意に満ちたデマだ。あいつは何度もこのヨタを飛ばしているが。

当時、自衛隊に自治体から派遣要請が行ったのは
「地震発生4時間後」
だった。これが「遅れ」と言われているものの実態だ。要請を行ったのが知事じゃなく、緊急性を判断した参事が代行したとか、そういう問題点はあるにせよ、別に数日放置していたわけじゃない。4時間だ。もちろん、4時間は貴重だ。そのあいだに失われた命もあるだろう。

しかし、なんらかのイデオロギーや極端な怠慢が背景にあったわけじゃない。官僚機構というのはもともとのろまなもので、そこには政治性はまったく関係ない。その意味では県知事だけでなく、当時の村山首相も同じようにバイアスをかけられすぎだろう(ちなみにこのときの与党は自民党でもあることを忘れてはいけない)。

未明に起きたということ(実際はそれが死者数減少に幸いしたのだが)、あまりにも巨大な地震だったということ、それまで注目されていなかった地域で起きたこと…さまざまな点で、阪神大震災は典型的な「災害」だった。誰もがあっけに取られていた。ぼくも東京で早朝にテレビで見ても、まったく規模がつかめなかった。あとで地震計すら正確な規模を伝えていなかったことがわかっている。そして、そういったことは後世にさまざまな教訓を遺してくれた。

震災関連では、
「当時、港湾組合が自衛隊の上陸を拒否した」
などといったデマもあり、政治的に利用されている。ぜんぶウソだ。

そんなことより、地震発生から2週間経っても被災地を視察に行ってない、どこかの国の現首相をたたくべきじゃないのかね? で、弟の七光り都知事は北陸になんかしてやったのかね?

追記:
どうでもいいけど「週刊オブイエクト」(ロシア人としてこの名称の学のなさやハンパな軍事オタぶりは鼻で笑い飛ばしたくなる)からこのエントリに飛んできてるヤツがいたのでチェックしてみた。バカじゃねーの? 戒厳令敷くわけじゃあるまいし仮に1時間やそこらで自衛隊がとんできたとしても、自衛隊に指揮系統が統一されるわけじゃねーんだから結局地元の地方公共団体が被害状況の概要も把握してない状態で何が必要なのか理解できるわけねーだろボケ。自衛隊員は超能力者か。自衛隊に対する侮辱だろ、かえって。当時は広域の消防隊の設備の統一すらままならない時代で、それが混乱に拍車をかけたこともしらねーのか。トリアージさえここ数年で整備されたばかり、大事故が起こった際に各地から集まった救急医療班の指揮系統をどうするかって話さえ去年決まったばっかりだぞ? そういう社会システムの細かな穴や、災害の規模の大きさを考えてからものを言え。そりゃガレキの撤去くらいの役には立つだろうが、交通網が完全にマヒした状態でなにも考えず闇雲に自衛隊員さえ投入すりゃどうにかなるんだからなんつーのは、まずイデオロギーありきのパッパラパーの中二病患者の考えだろ。習志野から落下傘部隊でも送って燃えさかる火の中に飛び込ませるのか。ここはすてきな神風特攻隊でつね。隊員も無駄死にでさぞうれしかろう。もうちっとまともに自衛隊使うこと考えろ。ボケ。

だいたい、三宅島で「死人が出ても公道バイクレースをやるぜ!」とか息巻いてたくせに、企業からカネをふんだくれないとわかったとたんにうやむやにしはじめたボケ老人の男根主義者を称揚してる時点でどうかしてらあね。あんなバカのデマにそそのかされて動かしてたら自衛隊が腐る! ヤツは軍事のことなんかからっきしわかってないんだから。イシハラが自衛隊の理解者だと思ってて許されるのは小学生までだよね〜キャハハハ。軍隊をダメにするのは、常に愚かな指導者だということをお忘れなく。

2007/04/05

[木鐸]   読んではいけない日本語論

at 19:14JST
なんだかしょぼんとさせられる本を店頭で見つけてしまった。



タイトルだけでも十分幻滅させられるのだが、面陳になっていたのでどうせ多少話題になってくるのだろう…と中身に目を通した。思ったとおりだ…。

「日本語は子音+母音を基礎とする世界でも希有な言語」云々

とか書いてあってまあ…。

希有ならすばらしいのでしょうか。貴重なら美しいのか。それならアイヌ語は周辺言語と類縁性がない孤立した貴重な言語ということで、日本語よりも美しいすばらしい言語ということになる。さあ、よりすばらしいアイヌ語を国語にしよう。日本人に絶滅させられかかってるアイヌ語話者が喜ぶし一石二鳥だ。

だいたい音韻構造にしたってタミル語とか似たようなことばは枚挙にいとまがないわけだが…。この著者はAI論出身で(いやAI論出身だからだめなのか?)言語関係の本もいくつかものしているのだから、多少は言語学の体系的な知識をもっていてもよさそうなものだけれど、ソシュールのあたりは赤点取ってるに違いないと思う。主張していることがまったく科学じゃない。まあ、言語学は教育学と同じで飲み屋のオヤジでも好き勝手なこと言ってプロのつもりになれる世界だからね…。

そんでもって、「だから英語早期教育は危険」とか主張してる。美しい日本語が壊れると。はあ…この人=感性リサーチの社長は、日本会議のシンパかなんかですか。壊れた日本語がイヤだと言うなら、少なくとも明治維新前の日本語使えよ。ぜんぜん違うから。つーか漢籍が入ってくる前の日本語を使うべきかもしれない。表記はどうしようか。ラテン翻字?

そもそも、美しくなければ愛せないという感覚がどうかしていると思う。美しかろうが美しくなかろうが、そのことばで育ったのならそれなりに活用して生きればいい。ほんとはそれこそが「母語を愛する」ということにつながると思う。ことばは、日々新しいものが生まれて日々古いもの(語弊があるな)が消えていくけれど、変化しながらダイナミックな営みが続けられることばは生き続け、人間の生を編んでゆく。ことばはいきもの。生きているということは愛されているということだ。別に美しいかどうかなんて関係ない。

ま、人間
「自分は特殊だ」
と思うと、こそばゆくうれしくなるものだからね…。多少はしかたないよ。でも、そういう自慰を人前でやることはないよね。本にしたり、学校で教えたりする必要はない。誤った自己認識を助長する。というか、自分が所属する集団が特殊だと思ってそれで優越感を得たがる人というのは、例外なく知見が狭いものだ。

学校で子どもが
「そろばんは日本にしかない」
と先生に教わって帰ってくる。ぐったりする。そろばんは日本だけのものじゃありません…。沖縄集団自決に軍が関与していなかったと教えるより罪が重い。そろばんが日本だけのものだったら、なんで
「アバカス」
って単語があるんだよ。それと同じこと。

まあそんなわけで。
昨年の「国家の品格」に続き、今年の自慰新書のベストにランクインしそうな書籍を見つけたという話でした。

2007/04/02

[木鐸]   あなたに「くだらない」粗探しに思えることでも他人には「くだらなくない」かもしれない。それが多様性であって、ぼくがネットに支援をゆだねたい機能だ

at 10:45JST
別に批判しているわけではないのよ。思ったことをとりとめもなく書いておこ。

My Life Between Silicon Valley and Japan - 「好きを貫く」のはそんなに簡単なことではない。意識的で戦略的でなければ「好きを貫く」人生なんて送れないよ。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070331/p1

これを読んでても、なんかこう雲を掴むような話で、具体的に何のことを話しているのかわからない。不毛なメタ議論の域に入ってしまっているのかもしれない。

でも、それが吟味されずにはてブでパカパカブックマークされて、露出して、御輿として担ぎ上げられて…。はてなに限らずネットコミュニティではこういうのが顕著で、梅田氏が称揚している「Web 2.0」では特にそれが加速しがちなのが怖いよね─というのを、このあいだメモったのだ↓

ぼくはその方法でサバイバルしたくないんだ : ひろ式めもちょう
http://memo.hirosiki.jp/article/36404599.html

たとえば、先の梅田氏の記事へのコメントに、
梅田さんに賛同するブックマークは約900、批判するブックマークはそれには及びません。梅田さん、若者にポジティブなエネルギーを送り続けてください。

とあるのだが。

意味わかんないよ…。なに? 賛同ブックマークたくさん集めると勝ちというゲームかなんかなの?

これがぼくが「こわい」と言っている典型で、けっきょく梅田氏を教祖とする熱いセクトがボーンとできているように見える。そこでは細かい差異とかはひとつのドグマに吸収されちゃってて、反する存在は敵なんだよね ↑のコメントの人もヘンな理論武装してるし。

ぼくはネットって多様性の涵養に貢献するもんだとここ20年来信じて生きてきたのだが、こういうの見るとむしろ単一化のための同調圧力を増すもののように思える…ここまで前回エントリの繰り返し。

そんでもって。

My Life Between Silicon Valley and Japan - 嵐のような反応を読んで
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070319/p1
賛否はともかく、これだけの強度で反応が届いたということには何か理由があるのだろう。じっくりと考えていきたいと思う。
と梅田氏は言っていたが、たぶんぼくが
「んん?」
と思ったというか、どうにも居心地の悪さを感じて反応した理由は、

こんな難しいことを本気でやり切ろうと思ったら、くだらない粗探しなんかしてる暇もなくなるはずだ


というこの一節に尽きるんだと思うよ。

前にも書いたけど「好きを貫いて生きる」とか、そういうのはねらわずともぼくはそういう生き方しかできないし、おかげで今日明日にも自殺してもなんの不思議もない体調で生をしのいでいるわけで、別に同意しないでもない。

でも「くだらない粗探し」ってなんなん?

新しいビジネスプランとかアイデアとか、そういうものに対して否定的な見方をすることとか、抵抗勢力が立ちふさがることとか、そういうのを氏は「くだらない粗探し」と言ってやまない。

でもさー、誰かが「好き」ってものは、必ず「キライ」ってひとがほかに出てくるもんだよ。キライ、じゃなくても「困る」って人はぜったいにいる。

好きを貫けば貫くほど、こういうあらがいはより多くぶつかってくるし、別に向こうからぶつけてこなくてもそこかしこに転がってる。それは見るだけでも、好きを貫いてる人にとっては自分を否定されたようなイヤ〜な気分になるもんだろうね。…少なくともぼくは毎日そういう感情と戦ってる。

まるで、海岸に行って波打ち際を歩くようなもんだ。力を込めて歩もうとすればするほど、海水は強く足にまとわりついてくる。そりゃ世の理で、そういうものなのだ。だって、逆に海水にとってみればキミの足こそがまとわりついてきて浜辺に打ち寄せるのをじゃましようとしてるのだから。

それを「くだらない」と言い切るのはあまりにも近視眼的だろう。

「好き」でやってんだったら、「好きじゃない」という動きと対峙しなくてはならない。それに対して猛然と抗していくか、それとも妥協するか。はたまたその中間点のどこかか。対処のしかたは何万通りもある。「好きじゃない」って動きから思いっきり逃げまくって、まじめに対処しないという方法もある(=ぼくはそうしている)。

でもそれを「くだらない粗探し」とレッテル貼りしてしまっても、何もよくならないぞ? だって、

全肯定ポジティブ教はきらいだ : ひろ式めもちょう
http://memo.hirosiki.jp/article/36234807.html

でも書いたみたいに、「粗探し」をしている側はきちんとした根拠や理由があって「粗探し」しているのかもしれない。そういう場合、それを「くだらない粗探し」として一蹴することはそりゃあなたにとって気持ちいいし単純でカンタンだけれど…。敵対性を深めることになるし、そもそもそこで他人の視点を取り入れて自分のプランに潜んでいた弱点を克服するチャンスなのかもしれないのをみすみす棒に振ってる。

ぼくがね、むかしむかし300bpsくらいのネットに触れて「むぅ! コレはぁ!」と期待した可能性というのはね、こういう
「他人の視点をくれる」
ということだ。

ネットにはいろんな人が出てくる。そこには狭い地域コミュニティとか、同質化しがちな企業・組織とか、あるいは国とか宗教とか、そういうものにおさまっていてはまず遭遇できないいろんな人が出てくる。

自分の「好き」を追究してるだけだと他人の視点を忘れがちだが、ネットをそれを十二分に補ってくれる。…十二分どころか過剰に、かもしれない。おかげでぼくはサイトを巡回していると持病の胸の痛みが出てくるくらいだ。

でも、やっぱそういう多様性って希有だよね。さっきも言ったように、ときには自分の弱点を指摘してくれることだってあるし。そもそも新しいアイデアを思いつくチャンスにつながる。とてもつらいけど、得難い効用は認めざるを得ない。

それを「くだらない」って言えちゃうのがポジティブ思考だっつーんなら、そりゃあんまりなんじゃないかなーと思う。


あとさ。
みんな、もっと自分の頭で考えようよ。
なぜそんなに他人のことばをありがたがるか。

なんか適当に書き散らしてしまった。疲れたからカフェオレでもつくって風呂入って寝るかな…。

2007/03/31

[木鐸]   なんでも食べ物のせいにするのはバカの始まり

at 19:21JST
納豆問題よりこっちのほうがよっぽど悪質だ!

(cache) asahi.com:フジテレビが謝罪文掲載 ADHDめぐる表現で行き過ぎ - 文化芸能
http://megalodon.jp/?url=http://www.asahi.com/culture/update/0331/011.html%3fref%3drss&date=20070331191337
フジによると、番組中で医師が、ADHDは偏った食事で起こる可能性がある旨のコメントをし、「少年犯罪の一因と考えられている」という意味のテロップも付した


ADHDはほぼ先天的なものだろ。なんでも食べ物や教育のせいにするのはフジ・サンケイグループのお家芸だが、これはひどすぎる。だいたい、ADHDが原因で少年犯罪が起きているあるいは起きるなどという考察は聞いたこともない。それは「統合失調症患者は殺人鬼」だとか吹聴するようなもんだ。正解は、症状がひどいと犯罪を犯せるような判断力・行動力が維持できないし、薬を飲んでいたらそんなことはとてもできない…なのに。

おまけに謝罪文はこんなに小さい。
http://wwwz.fujitv.co.jp/kokuchi/070326.html

産経新聞とフジテレビ、どっちか倒産させる会社を選べるって神様に言われたら
「両方!」
って答えるな。

[木鐸]   この国には「強制」なんてものはないんだよ

at 01:02JST
戦陣訓 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E9%99%A3%E8%A8%93
アッツ島の玉砕においては、軍属に対しても投降拒否の考えに従うことが命令されていることは注目に値する。 また、上記命令が海軍中将から発令されていること、新聞紙上の見出しとして使われていることから、陸海軍、民間を問わず「戦陣訓」の存在は広く知られていたといえる


だけど、沖縄の(渡嘉敷だけに限ったとしても)民間人集団自決は強制じゃなかったんだってさ。教科書も今度から墨塗りになるそうです。なんて美しい教科書!

まあ、何を今さらというか、この国にはそもそも「強制」なんてものは存在しないんだよね。それはあの「昭和の終わり」に起きた
「自粛ブーム」
を見てわかってたはずじゃないか。何を期待しているんだい。さあ、キミの辞書から「強制」という言葉を削除するんだ市民。

テレビ東京ですら、皇族に子どもが生まれた日に「アダムズ・ファミリー」の放送を取りやめるほどだからねえ。ええ、もちろん強制じゃないんですよ。

2007/03/23

[木鐸]   むしろ反対する声こそ聞いたことがないのだが

at 13:03JST
長勢法務大臣、再婚禁止期間の短縮に否定的
http://megalodon.jp/?url=http://www3.nhk.or.jp/news/2007/03/23/d20070323000088.html&date=20070323125813
「家族や結婚制度といった根本的なことにかかわる問題なので、国民の意識の動向を踏まえ、見直しは慎重に考えなければいけない」と述べました。そのうえで、長勢大臣は、再婚禁止期間の短縮について「今、国民の大多数が支持する雰囲気になっていないのではないか」と述べ、改正に否定的な考えを示しました。


あぶり出されてきたよ、家父長制イデオロギー信者が。

報道はともかく、DNA鑑定で父子関係が立証されることを前提としている改正案に否定すべきポイントがあるというのなら、しっかり示してほしいもんだ。

夫婦別姓選択制もそうだが、
「人間が幸せになる」
ということを否定しなきゃ存続できない「家族」や「文化」、「伝統」にどんな価値があるというんだ。おまえのコケンやコカンのメンツに関わるから反対しているだけだろう。
さらに過去の記事
2009/04 (1)   2008/12 (3)   2008/11 (9)   2008/10 (10)   2008/09 (20)   2008/08 (2)   2008/07 (23)   2008/06 (16)   2008/05 (22)   2008/04 (11)   2008/03 (21)   2008/02 (20)   2008/01 (21)   2007/12 (32)   2007/11 (37)   2007/10 (46)   2007/09 (63)   2007/08 (33)   2007/07 (41)   2007/06 (81)   2007/05 (173)   2007/04 (168)   2007/03 (113)   2007/02 (123)   2007/01 (92)   2006/12 (111)   2006/11 (185)   2006/10 (20)  

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。