2007/05/03

[木鐸]   「マーケティングマインド」ってのはけっきょく処世術かなんかなのか

at 08:48JST
 
大西 宏のマーケティング・エッセンス:
Digg創業者の勇気ある声明が事態を沈静化した
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/50309987.html
みんなが望むのなら、そのようにする。たとえそうしてDiggが、知的所有権違反で潰されたとしてもDiggはそうするという悲痛な決意です。思わず、今読んでいる『ビジョナリー・ピープル』に登場する持続する成功を実現した人々の発想を思い出してしまいました。
Diggは、ユーザーが主役であることを表明して、危機を脱しました。これこそマーケティング・マインドじゃないかという気がしています。そんなところをしばしばWebの世界は見せてくれるから目を離せないんですよね。


なんだそりゃ。

引用文中の引用文も、
「持続する成功を実現した人々教」
という新興宗教みたいで相当痛々しいが、
「これこそマーケティングマインド」
というのもさっぱりわからない。

ぼくには個人の意志が群衆の暴力に屈したようにしか見えないよ?(しかも本人=Kevin Roseにその自覚がないかもしれないのがコワイ) そんなことはWebに限らず古今東西当たり前に起きている“うんざりするできごと”で、ほかにもっと目を向けるべき価値のあるものはたくさんあるじゃないか。

そもそも、問題がHD DVDの復号関連情報だったからまだいいようなものの(ぼくはあえて“よくない”と言いたいがね)、これが人種差別を煽るヘイトスピーチだったら、同じように
「勇気」
「持続的成功」
「危機を脱した」
と評するのだろうか。「みんなの言うことは正しい」からそんなことは起こりえないのかい? いやいや、いつでも起こりうるということが、このところ日々証明されているよね。まさに。

それにここで「マーケティング」を引き合いに出してくるのも解せない。薄っぺらい“クールハント”ならともかく、本来のマーケティングというのは、
「なにかを作りたい、売りたい」
という個人の意志を支援するための、ただの道具に過ぎない。しかし、ここで起きたのは運営者個人のポリシーの蹂躙だ。ということは、ここから読み取るべきは
「マーケティングが破壊された」
ということなんじゃないのか。それとも、マーケティングってのは結局なんにも能動的には活用できない道具で、トレンドを傍観しつつうまく世渡りしていく処世術かなんかに過ぎないということなのか。“炎上の時代”において地雷を踏まず大衆を懐柔してつきあっていけるようにするための。

ただ、この大西氏の文章は、別に
「起きたことをポジティブにとらえている」
のではなく、
「悲痛な問題だ」
ととらえているようにも読めるので、そんなにからみたいわけじゃないのだけれど…。

どっちにしても、このDiggの件はイヤな事件だ。しかも、ひどく既視感に襲われる。

ぼくは、これがWeb 2.0ならもうやめっちまえ、と思う。ということで、前から
「Web マイナス2.0」
という概念を模索していたりする。

・人間同士をつなげない
・つなげる場合も最小限かつ双方の合意が必要
・情報は選択的かつ能動的にしか摂取できない
・代わりに思索を深める時間と処理能力を提供する

とかいう…キーワード先行なので具体的な内容はなにもございません。いつか「Web マイナス2.0」なサービスを立ち上げるぜ!(それなんて草の根BBS?)
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