2007/04/27

[木鐸]   みんなもっと自分の頭で考えようよ…

at 16:37JST
 
Tokyo Fuku-blog: 日本でプードルと偽ってヒツジが大量に売られている
http://tokyo.txt-nifty.com/fukublog/2007/04/post_19fa.html

これを「冗談」として楽しむならともかく、「本当」だと思って騒いでいる人がいる…。一部には、
「生き物を段ボールに詰めて送るなんて、
 日本人のモラルは地におちた!
 許せない」
なんて嘆いている人もいる…。えーと、あなたは産経新聞の愛読者ですね、たぶん。タレコんでネタを提供してあげるとアビル記者が喜ぶのでどうぞ。

以下、該当記事を「わはは!」と笑いとばしていた人は、読む必要なし。



いちおう、事実関係を追ってみよう。

1. 川上麻衣子が今週の「ごきげんよう」で、
 「知り合いがネットでトイプードルを買った。
  調子が悪いようなので獣医に診せたら
  ヒツジと指摘された」
 とトーク
2. それを英タブロイド紙「The Sun」が
 「日本でプードルと偽ってヒツジが大量に売られている」
 と報道
3. それをイギリスのニュースサイト「Metro」が紹介
4. それをTokyo Fuku-blogが逆輸入
5. マジに取られて話題になる←いまココ!

とりあえずわかりやすいところから。

4.のTokyo Fuku-blogは古参のネットユーザーはご存じのとおり「東京福袋」のサイトです。おもしろ話題を発信しているだけなので、掲載されている情報は事実とは限りません。ある意味X51.orgです。この点で同サイトに罪はないのであしからず。

次。

2.の「The Sun」は、有名なタブロイド紙です。

イギリスのタブロイド紙というのは、日本で言うと「東スポ」や「夕刊フジ」にあたる“赤新聞”です。したがって、ウソ・でまかせ・デマが大量に載っています。読者はここに載っている記事をバカみたいに笑って楽しむのが礼儀です。サンを本気にしていたら、地球人は過去に5000回以上は宇宙人とファーストコンタクトしているでしょう。

参考:
Tabloid - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Tabloid#As_a_sensational.2C_gossip-filled_newspaper

従って、サンが「日本の警察が云々と語った」と主張しているところは、すべてでまかせです。それを笑って楽しむのがこの新聞の読み方です。

3. のMetroについては、ただ単に転載しているだけ。ここもタイトルロゴにレッドタブがついているのでサンと同様のテイストですね。

Dog owners 'fleeced' in poodle scam | Metro.co.uk
http://www.metro.co.uk/news/article.html?in_article_id=46730&in_page_id=34

そして大元の1について。

みなさん、「ごきげんよう」はトーク番組です。報道番組じゃありません。トークというのは虚実まじえて聞き手を楽しませるものです。たとえば、明石家さんまが
「いや、もう、ぼくは誠実ですヨ!
 浮気もぜったいしません!」
と、「さんまのまんま」で言っていて、それを事実だと思う人がいますか? 事実ではないとわかるから笑えるんですよね。同じことです。川上麻衣子も、どこかで聞いた笑える話を、ふくらませてしただけです。

仮に川上麻衣子がビリーバーだとしても、「知り合いが」という伝聞の話だという時点で、この「ヒツジプードル事件」はデマの可能性が高いですね。
「私の知り合いの弟が口裂け女を見たんだってー」
なんて話してるのを聞いたら、まあある程度の経験のある人なら「出所のあやしいあやふやな話」だと判断がつくでしょう。

また、この話にはいくつかのツッコミどころがあります。

まず、宅配便では一般に「動物は送れない」との約款を定めています。

宅配Q&A
http://www.jta.or.jp/coho/takuhai/takuhai.html

クワガタなど小型の昆虫については問題にならないようですが、大型のほ乳類は確実に不可、です。どんなにしつけがよくても隠して送ることは不可能です。一回運送会社でバイトしてみてください。天地無用でもかまわずぐちゃぐちゃにして運ぶことがあり、荷崩れも起きる。通常、近接区域でも1日は到着までにかかるのにトイレはどうしますか? ひつじの、それも仔ひつじのトイレトレーニングなんて簡単にできるとは思えませんが…。

なお、Yahoo!オークションでは大型ほ乳類は取り扱いがありません。
http://list3.auctions.yahoo.co.jp/jp/2084055844-category.html

ビッダーズ、楽天ではカテゴリは存在しますが、出品がないか基本的に手渡しが前提となります。また、ビッダーズでは、
「哺乳類・鳥類・爬虫類の生体」
を扱う場合、動物愛護法に基づき動物取扱業登録証の写しの提出などが要求されます。

動物愛護管理法の改正法施行にあたってビッダーズからのお願いとお知らせ
http://www.bidders.co.jp/news/20060524.html

つまり、ネット上での動物の販売にも法的規制がちゃんとかけられているということです。

もうひとつ。ちょっと考えればわかると思うのですが…ひつじとプードルは
「似ても似つかない」
です。それはこの二種の動物がどのような環境に適応してきたかを考えればわかります。

ひつじは、広い草地で絶えず周囲に気を配り、天敵が近づいてこないか見張っている必要がありました。そのため、できるかぎり視野を広く取れるよう、目が顔の両側面についています。

いっぽう、犬は猟犬のように目標にむかってすばやく動く必要があります。この場合、視線はまっすぐ前方を向いているほうが好都合です。そのため目は前面についています。このような特徴は、目だけでなく耳にも現れています。もしひつじや犬の絵を描く必要に迫られたら、これらの事実に留意して描くとヘタでもなんとなく似ているものを描くことができるでしょう。

さて。このような事実を肝に銘じたうえで、先ほどのメトロのサイトにアクセスしてみましょう。

http://www.metro.co.uk/news/article.html?in_article_id=46730&in_page_id=34

鳴き声どころか外見もまったく似ていませんね。

※追記
あと、肝心なこと。
ひつじは「ウシ目」(偶蹄目)です。つまり、足はひづめです。犬はひづめではありません。これならどんな人間でも判別がつきます。

…こうした背景から、もともとの川上麻衣子の話、そしてサンの記事は
「単なる冗談」
だということが簡単にわかります。

…ここまでのことについてぼくは無責任にも情報ソースへの取材をせずに書き散らしてきました。実際には、サンに問い合わせるなり、警視庁の広報に電話をかけるなりすることも必要でしょう。今回はあえてそうしませんでした。「考えればわかるじゃん」というのが、ぼくの主張だからです。

どなたか労をいとわない方がいらしたら電話をかけてみてください。もちろん間違っていたら謝ります^^;(ホントならそれはそれでおもしろいからええやん)

でもさあ…冗談なんだから、冗談として楽しめるように頭を使おうよ…。


追記:
女のキモチ オレオレ詐欺よりもむしろ
http://uji8.blog92.fc2.com/blog-entry-26.html

の方が指摘してくださってますが、「ヒツジプードル事件」のウワサは少なくとも昨年から流布されているようです。

ボストンテリアだらけ : だまされた!?
http://momoani.exblog.jp/4849084/
Yahoo!ブログ - 上海在住Jasonの麻辣珍道中!
http://blogs.yahoo.co.jp/jasonyoshizumi/25230332.html
プードルの正体。|それ行け、ぱぴけあ探検隊!
http://ameblo.jp/totoboku/entry-10024693943.html

従って、これは確実に「デマ」「冗談」ですね。

だから、冗談を冗談だって笑えるようになろうよ!!
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