2007/04/28

[雑記]   ランチア・デルタ

at 22:13JST
そうそう。

原美術館に行ったとき、駐車場に見慣れないフォルムの車が停まってた。
「なんだこれ…。
 古ぼけてるけど、妙にカッコいいぞ…」

正面の顔が四角くなっていて、最近の徹底してカドを排除したヘンなデザインと異なる。いわゆる「スパルタンっぽい」っていうか。ハッチバックなんだけれど、そのおしりの処理も独特。そんでもって後部だけ微妙に車高が高い。

盗撮してきた。

200704280lmage006.jpg


近づいてみると、エンブレムに
「ランチア」
と書いてある。おおお。これが名前だけは聞いたことのあるランチアか!

表面塗装はところどころ剥げている。しかし、コンパネのところにiPod(悪魔のしるし)のスタンドが放置してあったから、まだ現役なのだろう。

調べてみるとランチアのデルタらしい。
http://www.isize.com/carsensor/s/smodel/LA_3_1.html

ぼくはクルマにはまったく興味はないのだけれど、助手席に乗るならこういうのがいいわぁ…。早く訪れないかしら、私の王子様。

[雑記]   ダーガー展つづき

at 02:31JST
もちろん美術館なので写真は撮れませんが…。↓はあくまで看板を撮影したものです。絵じゃないよ(たいせつにしたいみんなの著作権)。
2007042703mage.jpg


備忘録がわりに書いておくと、ダーガーはアメリカで人知れず死んでいった貧乏無名の老人である。死後、彼のアパートの部屋に大家が入ったところ、1万ページ以上に及ぶ文章と大掛かりなコラージュ多数が発見された。これらの創作は、ダーガーが「非現実の王国」と呼ぶ世界における、美しい少女たちの数奇かつ残虐な戦いを描いたものだった。

で、感想。
ぼくが行ったのは画集を買うより見に行ったほうが安いからだが(やっぱ山手線沿線在住って便利だね)、ひまなら行く価値あると思う。六本木でモネ展やってるが、あれよりコストパフォーマンス高いんじゃないかな。

というのも、ダーガーの作品はいずれもバカでかい模造紙かなにかを張り合わせたキャンバスに、どこかから切り出してきた写真や絵をびっしりと貼りこんでいるからだ。ふつうの画集サイズでは詳細がわからない。

最初に展示されている「カルナバルの戦い」(題名適当)はまさにその好例で、遠目には「幅2mくらいの汚い壁紙」に見える。近寄って目をこらして、はじめて「広大な戦場で激しい戦いが繰り広げられているようす」だというのがわかるのだ。ひとりひとりの兵士はいずれも何かの切り抜きで、執拗なまでのディテールでコラージュが行われている。素材は入念に選ばれているため、精一杯近づいて確認する楽しみがある。ダーガーについて一般にもたれているイメージであろう少女たちの絵はともかく、この作品は実寸でないと意味すらつかめない。これを見るだけでも価値はあるかも。

で、ほかの「ヴィヴィアンガールズ」(主人公)を描いた絵だが、これもおもしろい。コラージュ以外ではトレースが多用されているのだけれど、その描線がボールペンだったりする部分もわかる。

じゃあ稚拙なのかというと、けっしてそんなことはない。広大なスペース全体に対し、主題はきちんと配置されており一種様式美すら感じさせられる。独特の手法でパースもきちんと取ってあって、専門の教育を受けていない男の手になるものだとはにわかには信じがたい。

信じがたいと言えば、コラージュやトレースだけで作られているというのに、あらゆるパーツがぴたりと違和感なく配置されていることも、だ。たとえば随所に騎兵が出てくるのだけれど、駆ける馬の向きひとつひとつに矛盾がないのだ。これをほんとうにコラージュで行っているのだとしたら、作者はよほど辛抱強く素材を探求し続けたのだろう。

また、書き込まれている注釈もおもしろい。英語で字が汚いので読み取りづらいが、「これはガールズが嵐に襲われてシェルターに逃げ込んでいるところ」などと細かに書いてあって、展示にはない元の物語テキストを想像できる。いずれも指輪物語など一級のファンタジー書籍を連想させられるほどだ。

しかしまあ…これが本当に無名の老人が(一生をかけたとはいえ)ものした作品なのか…。確かに、こうした巨大な虚構をつくりあげ、ディテールにこだわる時期は誰しも子どもの時分にあり、ダーガーの作品にもそれと共通する匂いがある。しかし、その質も量もあまりに非凡すぎ、確信犯的な電波を発信しているような気がする。

2Fには芸術家だったという大家の紹介スペースもあった。そこに並んでいるオブジェの写真をみると、
「犯人は大家」
という妄想がむくむくとかまくびをもたげてくる。

実際、美術史的に類例がないではない。実は、すべてはこの大家がつくったもので、
「ダーガーというアウトサイダーアーチスト」
は巨大な創作なのではないか。だとすればぼくにとって信じがたいことの説明もつく。

しかし、仮にそうだったとしても
「ダーガーを含めての非現実の王国」
は、じゅうぶん遊ぶに楽しい世界であって、見る者に新たなイマジネーションを与えてくれる。と思った。

なによりも、人はダーガーのように無名に生きても、何かを作ってしまうものなんだなあという感慨があった。形容しがたいが、それはそう、みんななんの気なしに書きなぐっているblogってやつがそうだ。コラージュやトレースのかたまりだしね。ゴミのようなもんだが。巨視的にみれば広大な王国が見えてきたりする。
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